かあちゃん
かあちゃん

全ての女性に捧げる永遠なる母の物語。

天保末期、江戸庶民の生活は貧窮を極めていた。そんな中、とある貧乏長屋に住むおかつ一家は家族6人総出で働き、かなりの金を貯め込んでいるという。同じ長屋の角にある居酒屋で常連客の噂話を耳にした若い男・勇吉は、その晩おかつの家に泥棒に入った。一人起きていたおかつは泥棒を見つけても怯まず、貯めているお金について話した。 3年前、おかつの長男・市太の大工仲間である源さんが生活に困った挙句、仕事場の帳場から少々の金を盗んだ。その源さんが牢から出てきた時のために、新しい仕事の元手となる金を貯めていたのだ。おかつの話を聞いた勇吉は何も盗らずに去ろうとしたが、「行くところなんてないんだろ」と引き止められ、この家に暮らすことになった。やがて市太の紹介で職に就き、精を出して働き出した勇吉は「俺ア、生みの親にもこんなにされたことがなかった」と感謝の思いを口にしたが、それを聞いたおかつは声を震わせて怒鳴った。おかつの言葉の奥に、人間を心底愛する心を知った勇吉。勇吉は心の中でそっとつぶやいた。「かあちゃん……」と。

日本
製作:「かあちゃん」制作委員会(映像京都/日活/イマジカ/シナノ企画)
配給:東宝
2001
2001/11/10
シルバーカラー/96分/ビスタ・サイズ
映像京都・日活・イマジカ・シナノ企画