赫い髪の女
あかいかみのおんな
拾った男、拾われた女
【解説】(「生きつづけるロマンポルノ」特集上映時資料より)
 建設会社で働く光造。ある日、仕事帰りに女に声をかけた。その日から女は密造の部屋に居続けていた。来る日も来る日も身体を重ね、光造は女のことを何も詮索しなかった。女と出会う前、光造は同僚の孝男とともに建設会社の社長の娘・和子に乱暴を働いていた。和子は妊娠し、孝男に駆け落ちを迫る。二人が町を出て行く日も、光造と女の生活は変わることなく続いていた。
 現代日本文学にひとつの到達点を示した中上健次の「赫髪」を、神代辰巳が安定感のある演出力で描く代表作の1本。ひたすら、愛欲のうねりに身を任せる人間の本能、激情を静かに描いた秀作。

【解説】(公開当時のプレス資料より)
 建設会社でダンプカーの運転をする主人公・光造と、彼が道で拾った赤い髪の女との、ただれた愛欲のうねり、その閉塞した街でくりひろげられる男と女のよどんだ関係。そして、一方に、そこから逃げ場を求め始めた男と女がいた……。
 ’76年「岬」で芥川賞受賞、「枯木灘」で毎日出版文化賞(77年)、芸術選奨文部大臣新人賞(78年)を受賞し、血と土への愛と憎しみを通じ、現代日本文学に新しい一到達点を示した中上文学。その中上健次の「赫髪」(文芸、78年5月号)を原作とし、にっかつのエース、神代辰巳(「一条さゆり・濡れた欲情」「四畳半襖の裏張り」を監督)が「壇の浦夜枕合戦記」以来、ほぼ二年ぶりにてがける話題の作品。
 主演は、今や真のエロチシズムを全身からはなつ宮下順子。そして、個性的な演技派、石橋蓮司、山谷初男。他に実力派の山口美也子、亜湖等が出演する。
日本
にっかつ
1979
1979/2/17
カラー/73分/ワイド・サイズ
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