サチコの幸
さちこのさち

幸せうすいことさえ知らず、君は無邪気な笑顔をみせて…いいえ今にきっといいことがある…青春映画の日活が贈る憧れの青春像!

「あッ、サチコさんだ」「あの人いいひとだって?」「最高だよ。やさしいんだ」昭和26年ごろの新宿二丁目に、こんな可愛い天使のような娘がいた。サチコはつらい淋しい日々の中で「いいえ、今にきっといいことがある」と自らに言い聞かせて生きていた。親に捨てられたユミコ、ジョージという進駐軍に惚れ抜いているヨシコ、そしてモモエ、みずえ、皆一つの店で精一杯生きていた。その夜も中年男の中田、酔っ払いや早稲田の学生など、サチコの稼ぎは2,000円。そんなところへ、母に会いに来たという青年・武彦があがって来た。「ボクの母さんは、ここの女将さんなんです」と言う武彦は、ただ壁に向かって立っていた。サチコの肝いりで武彦に向かいあった女将は、武彦を知らぬ存ぜぬで厳しく追い返そうとした。サチコの部屋で、武彦はただ絶望的に泣き伏した。サチコは、哀れな武彦を温かく抱きしめるのだった─。

日本
製作:日活 配給:日活
1976
1976/12/25
カラー/87分/ワイド・サイズ
日活