夜霧よ今夜も有難う
よぎりよこんやもありがとう
夜霧のミナト横浜にはかなく散った激情の男と哀愁の女の恋物語を、魅力あふれる裕次郎のヒット曲に乗せて贈るムード・アクション巨篇。

神戸港―。長い外国航路から久々に帰ってきた日南丸の事務長・相良は、恋人の秋子に結婚を申し込んだ。相良は6日間の寄港の間に秋子と結婚し、再び船に乗らなければならなかった。今すぐにという相良の言葉に戸惑いながらも、秋子は約束の教会へ急いだ。だがその幸せは、秋子の不慮の自動車事故で脆くも崩れてしまった。そんなこととは知らぬ相良は、夕暮れの教会で秋子をいつまでも待った。あくる日から相良は、待てど現れなかった秋子の姿を求め、警察、病院とあらゆるところを探したが、消息は皆目わからなかった。それから4年の月日が流れた。あのとき以来船を降りた相良は、横浜の港近くでナイトクラブ・スカーレットを経営するかたわら“逃がし屋”をやっていた。銭さえつめばいいという逃がし屋ではなく、相良は本当に困っている人間だけに抜け道を与えていた。そんな相良の元へ和技と名乗る女が現われ、堅気になるため港南会をやめたいと望む恋人のチンピラ・関口と外国へ逃がしてくれと頼みこんできた。港南会は既に相良に嫌がらせをしにきていたが、相良は近いうちになんとかすると約束し、和枝を帰した。スカーレットは今日も多くの客でにぎわっていた。自らピアノに向かい唄う相良の低音に、コックの仙吉の娘ヒロミは聞き惚れていた。彼女はその胸に、相良への淡い慕情を秘めていた。そんな相良の目が、店に入ってきたひとりの女に釘づけされた。それは、まぎれもなく4年の間さがしつづけていた秋子だった…。

同名の裕次郎のヒット曲にのせて展開される、甘く切ないラブ・ストーリーと緊迫のアクション。名作「カサブランカ」をベースにした、石原裕次郎・浅丘ルリ子の黄金コンビによるムード・アクションの代名詞的作品。

日本
製作:日活 配給:日活
1967
1967/3/11
カラー/93分/シネマスコープ・サイズ/9巻/2557m
日活
【神奈川県】横浜市(横浜港、赤レンガ倉庫)