愛と死の記録
あいとしのきろく
初めて知った愛の歓びと幸せに酔う若い二人を襲った運命―吉永・渡の新コンビで原爆症の青年とひたむきな愛を捧げる乙女を描く純愛巨篇。

ある朝、和江は勤め先の楽器店の前で危うくオートバイにはねられそうになり、持っていたレコードを割ってしまった。オートバイに乗っていた青年・幸雄は、弁償を断わる和江に無理矢理お金を置いていった。幸雄は、この小さな事件を見ていた和江の同僚ふみ子の恋人・藤井と同じ印刷会社に勤める親友だった。そこで二人を仲良くさせようと一計を案じたふみ子と藤井により、和江と幸雄は近くの公園で会うことになった。親友のいたずらと知った二人は驚いたが、すっかり打ち解けた。日曜日、和江たち四人は二台のオートバイで広島湾に遊びにいった。楽しい昼食のあとで二組に別れると、静かな砂浜で和江と幸雄は自然に溢れくる愛を感じていた。二人は毎日のように会った。幸雄の恋を聞いた同僚たちは大いに冷やかし、祝福した。ただ幸雄の親代わりになっている製版班長の岩井だけは、深刻な表情をみせた。幸雄は被爆者で、四才のときに父母は死んだ。苛酷な運命を忘れかけたころに発病して入院したが、四ヶ月で回復。その後、岩井の世話で印刷会社に入ったのだ。再発を心配する岩井の恐れは、非情にも早く現実となってしまった。岩井は、幸雄が作業中に貧血で倒れたという報せを受けた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1966
1966/9/17
モノクロ/92分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2530m
日活
【広島県】広島市(庚午橋、桂ヶ浜、原爆病院、荒神橋、相生橋、元安橋、灯籠流し、原水禁大会、十字屋楽器店、庚午北街の太田川放水路河口近く、中本総合印刷、吉島刑務所付近、広島湾の海岸、平和大橋、平和記念公園、原爆ドーム、供養塔、原爆の子像、原爆慰霊碑)/呉市(音戸大橋、狩留賀海岸)/坂町(水尻駅附近の国道31号線)