渡世一代
とせいいちだい

義理と人情、意地と度胸のやくざ渡世に生きる男の純愛と凄絶なドラマを描いた、仁侠アクション大作。

革新政治結社が暗躍する大正中期。浅草の大親分・飯塚は病床から引っ張られ、彼も名を連ねる大道連盟の資金源について、毎日厳しい訊問を受けていた。そんな親分の身を案じ、女房のおしの、代貸しの伊蔵は所轄署へ日参した。警察の目は、日が経つにつれ伊蔵にも向けられた。彼は舎弟の木南に留守を頼み、芸者・駒千代の元に身を隠したのち、別れを惜しむ彼女をあとに、東京の呉服問屋の番頭というふれ込みで一人旅に出た。旅先の温泉場で、伊蔵は作り酒屋の儀兵衛と知り合った。彼の家で家族同様にもてなされ、可愛い孫娘・雪枝にも慕われ、伊蔵は初めて人間らしい幸福感に浸っていた。東京では飯塚親分が無罪放免となり帰ってきたが、不在の間に新興ヤクザの結城組にシマを荒らされていた。伊蔵に東京から手紙が届くと、雪枝は美しい蒔絵の爪箱を彼に渡した。その頃、結城組では飯塚親分を殺す計画が練られていた。不意を喰った飯塚組だったが、計画を盗み聞いた駒千代の身を挺した知らせと、おしのや子分たちの協力で危機を脱した。飯塚組の仕返しに備え、結城組は助っ人やダイナマイトをしこたま用意していた。一方、カタギの娘に手を出し破門になっていた銀次が大きな機関銃を持って舞い戻り、この喧嘩で一肌脱ぐことになった。采配を任された伊蔵は、数日間動かず、結城組がシビレをきらしたところで機関銃の威かく射撃で追いつめ、大勝利を収めた。ところが、銀次の機関銃は陸軍が外国から輸入したものだった。軍の追及から身を隠すため、伊蔵は銀次を連れて、いつかの温泉場へと旅に出た。一日千秋の想いで伊蔵を待ちわびていた雪枝の喜びは何にも優るものだったが、伊蔵は再び東京からの手紙を受けとった。そして東京に帰る日、銀次は仮病を使って居残った…。

日本
製作:日活 配給:日活
1965
1965/7/3
イーストマン・カラー/8巻/2341m/85分/シネマスコープ・サイズ
日活
【香川県】高松市(白鳥神社、白鳥神社わきの猪熊邸(重要文化財)、丸亀城、多度津)