真紅な海が呼んでるぜ
まっかなうみがよんでるぜ
商船大学を卒業した青年に渡哲也が扮した、主演第2作。渡哲也のデビュー曲「純愛のブルース」をバックに、兄弟愛と男の友情を綴る。
商船大学を卒業したばかりの津川了次は、兄・雄作が船長を務める古ぼけた貨物船・賭運丸に乗っていた。了次がわざわざこの老朽船に強引に乗り込んできたのは、雄作が資金作りのため密かに南シナ海上で密貿易をやっていることに気付いたからだった。案の定、賭運丸は洋上に浮かぶ一隻の漁船に密輸品を隠した救命具を放り込むと針路を日本に向けた。その上、真弓という若い女の密航者を船倉に隠してもいた。女は香港から雄作の計らいで乗っているとのことだった。船が神戸に近づくと、了次は雄作のことをなじった。そしてついには、兄が密輸から足を洗う代わりに兄の言う大きな船会社で働くことを約束した。神戸に着いた了次は埠頭にある珊瑚亭という安食堂にかけつけた。だが、店の主人・葉子は了次に冷たい視線を向ける。かつて了次はあやまってアクアラングで遊んでいる最中にモリを商船大学の同期で葉子の兄・萩村の胸に突き刺してしまった過去があったのだ。店ではこの辺りの荷役を取り仕切る本郷船舶の幹部・西本が、死んだ葉子の父親の借金を取り立てていた。二日後までに支払えなければ、葉子は本郷のいいなりになることを覚悟しなければならなかった。一方、雄作は雇い主の小松が本郷のために荷役を妨害されているのを知り、沖仲士を片っ端から集めてまわった。珊瑚亭を出た了次は本郷の経営するクラブ・クリフサイドに行くと、そこでは真弓が踊り子として働いていた。真弓は、大阪で二人の男に騙されて香港に売り飛ばされ、その復讐のために帰ってきたのだと語り、二発の弾丸を込めた拳銃を了次に見せるのだった。翌朝、真弓は復讐のために大阪へ向かった。心配した雄作は了次にその後を追わせる…。
日本 製作:日活
日活
1965
1965/7/3
カラー/83分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2286m
日活
【兵庫県】神戸市(神戸港、生田区弁天町高浜岸壁三菱倉庫内、生田区海岸通京橋、神戸港三井東神倉庫横路地、神戸港第三突堤市立港湾労務者詰所前、生田区海岸通・神戸港湾合同庁舎、兵庫区下三条町市電平野駅前・前田果実店、兵庫区下祗園町・丸山百貨店平野店、兵庫区下三条町・八百丑肉店、生田区山本通リ4丁目・杉本商店前、生田区諏訪山・登山口付近、同・山本通から神戸港方面、生田区下山手四丁目電停前、葺合区野崎通・春日野墓地、中央区・ニューポートホテル屋上からの俯瞰、垂水区塩屋町ジェームス山・ギリシャ総領事鄭前)
【大阪府】大阪市(天王寺区上綿尾町、天王寺区一心寺、通天閣前通り)
【静岡県】下田市