おんなの渦と淵と流れ
おんなのうずとふちとながれ

貞淑だった妻が夫を愛しながらも次々と他の男に身体を許していく―。奇才・中平康監督が女の性と業、そこにもつれる様々な人間の深層心理を鋭く描いた文芸作。

啓吉が須賀子と結ばれたのは昭和十三年、見合いをした啓吉の一目惚れだった。須賀子は貞淑な妻だった。啓吉は専門学校で英文学を教えており、家に帰れば毎晩のように妻を相手に文学論を語った。啓吉はそのひと時に幸せを感じていたが、須賀子は黙って聞いているようで実はうわの空だったことがわかり、それ以来妻のことをどこか醒めた目で見るようになっていった。結婚して五年経ったある日、啓吉を訪ねてきた友人を須賀子が誘惑している現場を目撃してしまう。その後も何人か怪しい男が浮上してきたため、啓吉は押し入れの壁をナイフでこじ開け、そこに身を潜めて妻の浮気現場を押さえようと息を殺していた。そこへとうとう妻が男の手を引いて入ってきた…。

日本
製作:日活 配給:日活
1964
1964/10/21
モノクロ/116分/シネマスコープ・サイズ/10巻/3160m
日活
【東京都】千代田区(有楽町)/新宿区/港区(青山高樹町)/渋谷区(地下鉄「神宮前」附近) 
【石川県】金沢市(長町のもと武家屋敷、もと金沢大学理学部(旧四高)の赤レンガ校舎付近、金沢図書館)