非行少年
ひこうしょうねん
社会問題化しつつある最近の少年犯罪を、厳しい受験戦争から次第に非行化してゆく少年たちの実態を通してドキュメントに描く異色問題作

ここ、区立陽城中学校には、先生にも手に負えない不良生徒がたくさんいる。三年A組の河上、宮田根本、B組の井上らがその中心人物だが、なかでも河上は喧嘩が一番強く、通称“番長”と呼ばれてみんんなから恐れられていた。番長のバックには、この街のヤクザがひかえていて絶対的な権威を誇り、誰一人立ち入ることはできない。彼らは、授業中平気で居眠りしたり、気が向かないときは勝手に教室を飛び出してゆく。いつもグループで校舎の片隅にたむろしては煙草に火をつけるといった有様だった。進学を目標にどんどん進められてゆく毎日の授業は、彼らを競争から脱落させ、一層非行化させてゆく原因にもなっていた。「三当五落を信じろ!」と意気込む柔道二段の理科教師吉野をはじめ、試験問題のヤマを張るのに一生懸命の英語教師尾形など、いずれも受験一辺倒の先生がこの学校には多かった。しかし、番長を受け持つA組の担任教師柿田だけは、何とかして河上らの不良グループを授業にとけこませようと努力していた。やがて、B組に転校生大賀がやって来た。前の学校で番長をつとめたことがあり、保護歴3回、担当教師をナイフで刺傷などの肩書を持った大賀は、林の中で河上と激しく渡り合ったが、ついに勝てなかった…。

 

 

日本
製作:民芸=日活 配給/日活
1964
1964/10/3
86分/7巻/2338m/モノクロ/シネマスコープ・サイズ
日活