東京五輪音頭
とうきょうごりんおんど

世界の檜舞台にかけたオリンピック選手の夢とロマンス、それを見守る町の人たちの温かい心を三波春夫のヒット曲にのせて贈る歌謡大作。

東京下町の中央卸売市場で、ひときわ目を惹く仲買人「藤原」の一人娘・藤崎ミツ子は、明るく陽気で町内の人気者。大学ではオリンピック強化コーチがつくほどの水泳のホープで、連日猛練習をつづけているが、祖父の源造はミツ子が水泳選手になるのを極度に嫌っていた。親代わりの祖父の猛反対を押し切ってまで自分の意志を通すことができないミツ子は、祖父に気づかれないように市場の仕事をしながら密かに練習に打ち込んでいたのだった。三波春夫に似ていると評判の「松寿司」の主人・松吉をはじめ、町内の人たちはミツ子がオリンピックに出場することを心から望んでいたが、頑固一徹な源造の手前、ミツ子がオリンピック候補選手に指名されたときも、源造にだけは知らさないよう協力していたのだった。ところがある日、とうとう源造の耳に入ってしまうと、カンカンに怒った源造は大学へ行き「藤崎ミツ子は今日かぎり水泳部をやめる!」とコーチ陣に宣言し、ミツ子を家に連れ帰ってしまった。一方的な仕打ちに、さすがのミツ子も抗議したが「スポーツって名がつくものは、でえ嫌えだ」の一点ばり。ある日「ミツ子を合宿へ入れたい」とやってきたオリンピック強化コーチ・河野にも、源造は取り合わないどころか怒鳴り出す始末。源造には、ミツ子を反対する理由があったのだが…。

日本
製作:日活 配給:日活
1964
1964/9/9
モノクロ/94分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2559m
日活
【東京都】花柳秀舞踊団の踊り、オリンピックポスター各種、建設中の競技場、ホテル、高速道路/新宿区(千駄ヶ谷・神宮プール)/中央区(東京中央卸売市場、築地)/江東区(佃島)/台東区(柳橋附近)/大田区(羽田空港)/東京タワー/▲都電