さすらいの賭博師
さすらいのぎゃんぶらー

二度とダイスを振らないと誓った男が復讐を賭け、黄金の腕で再び勝負に挑む。『渡り鳥』に次ぐシリーズ本数を有する、小林旭の『賭博師』シリーズ第1弾。

氷室浩治は、ダイスを振らせれば右に出る者がいないと言われるほどの黄金の腕を持つ男。だが、いかさまダイスを見破ったのがもとで兄・健一が柏田組のボスに殺され、氷室の恋人・信子も柏田組の乾分の手で階段から突き落とされて無残な死を遂げた。一瞬にして恋人と兄を殺された氷室の悲しみは次第にギャンブルへの激しい怒りと憎しみとなり心の奥に刻まれていった。生まれ故郷の神戸を後にしてさすらいの旅に出た氷室は、行く先々で賭場という賭場を荒らしまくり、いかさまダイスは執念で叩きのめしていった。それから2年後。横浜に流れ着いた氷室はもう二度とダイスを振らないと誓い、港にほど近いバー・サイゼリヤでバーテン見習いとして住み込み、裸一貫で出直す決心をした。しばらくして氷室は、バーテン坂井の口からマダム早苗をめぐって、この街の河村興業と浅野不動産が複雑に絡んでいることを知る。早苗の兄は数年前、事業に失敗して自殺したが、それに投資していた浅野は兄から莫大な資産を不法に巻き上げていた。そこで早苗は兄の友人・河村を利用して浅野から資産を取り返そうとチャンスを狙っていたのだ。一方、河村は早苗から依頼されたのをよいことに、浅野の資産をそっくり乗っ取ろうと企んでいた。ある夜氷室は、浅野が賭博打ち多吉を雇って河村の賭場へ勝負に出掛けたと聞きつける。二度とダイスを振らないと誓った氷室だったが、今が浅野を懲らしめる絶好の機会とにらみ、早苗の止めるのを振り切って賭場へ駆けつけ、勝負に挑む…。

日本
製作:日活 配給:日活
1964
1964/8/5
モノクロ/88分/シネマスコープ・サイズ/8巻/2408m
日活
【神奈川県】横浜市(横浜港、中華街、加賀町警察署前、シルクホテル前)/真鶴町