堂堂たる人生
どうどうたるじんせい

業績不振の玩具会社に勤めるサラリーマン裕次郎が、幾多の苦難を切り抜けて大勝利を得るまでの波瀾万丈を描く青春文芸篇。

きどった調子で観光客に説明していたバスガイド嬢が、派手にひっくり返った。どこからか走ってきた玩具の自動車に足をとられたのだ。カンカンになったのは、彼女の友達でチャキチャキの下町娘いさみだった。二人の前に現われたのは、長身の素適な男性、老田玩具株式会社の中部周平と同僚の紺屋小助だった。二人は周平の作った玩具をテストしていたのだ。周平は、競争相手・興和玩具の竹平支店長がスカウトしたいと狙っているほどの腕ききで、女の子にもめっぽうモテた。その夜、バー“サレム”で一杯やった周平は、彼を追いまわす女給の弘子に付きあわされ寿司屋へ入ったが、そこは昼間喧嘩したいさみの家だった。いさみは、老田玩具の社長・和一に入社させてくれとネバっているところだった。ところが老田玩具は今にも潰れるかどうかの瀬戸際で、それどころではない。それでも彼女は諦めようとしなかった。会社の危機を救うため、周平と小助は興和玩具から二百万円へ借りるよう大阪本社行きを命じられた。憂鬱な二人が乗った汽車には、いさみも乗っていた。「金策がうまくいったら雇ってもらう」と言う彼女は、すばらしいアイデアを思いついた。周平の友だちで科学研究所の高宮が発明したX・Y・Zガスを使った革命的玩具の一手販売権で、二百万円借りようというのだ。ところが社長室に顔を出したとたん雷声が落ちてきた。帰り際、周平と小助が何気なくつぶやいた例のガスの話に社長は興味をひかれたが「二百万円は借せん!」と言った手前、二人を追うわけにいかず…。

日本
製作:日活 配給:日活
1961
1961/10/22
カラー/97分/シネマスコープ・サイズ/9巻/2646m
日活
【東京都】台東区(浅草寺、仲見世)/千代田区(東京駅)/大田区(羽田空港)
【大阪府】大阪市(大阪城(実景))
▲東海道を西下する急行列車