幌馬車は行く
ほろばしゃはゆく

立山連峰を背景に、養蜂幌馬車隊にまぎれ込んだ過去のある男が、正義のために敢然とギャング団に対抗するスペクタクル巨篇。

日本列島を南は九州、北は北海道まで蜜蜂と季節の花を追い、蜜を求めて旅を続ける移動養蜂隊。この養蜂隊の隊長・山善老人は、学校の夏休みを利用して帰ってきた孫娘・十美を駅まで迎えに行った帰途、負傷して倒れている青年を助け、連れ帰って手当をしてやった。青年は丸二日間意識を失い続けたが、青年の肩の傷が銃弾によるものと知っていた山善老人は、彼の将来を考えて病院へ届けなかった。青年の名は野上雄介。彼は、列車を襲い機関士を射殺して逃走しているギャング団の一人だった。意識が回復した雄介を、山善老人や十美、養蜂隊の人たちは気遣った。警察の追求を恐れる雄介は、その親切にかえって不安を憶えたが、善意にあふれる養蜂隊の人たちに心温められ、ともすれば追われる身であることを忘れることができた。しかしこの幸福も、突然の闇入者によって破られた。警察に追われたギャング団の一味・サブと柄政が幌馬車隊にまぎれこんだのだ-。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/10/22
カラー/79分/シネマスコープ・サイズ/7巻/2161m
1960 日活株式会社
【富山県】立山町(天狗平、大谷高原、立山高原)/富山市(市内(改心した赤木が笹森と買物に来る場面=圧川峡から氷見港まで遊覧船で下り、バスに乗って北日本新聞社前で下車、総曲輪や一番町の商店で土産物を買うという設定)、灘浦海岸)/氷見市(氷見港)
※秋の立山は花の時期が過ぎており、真夏の風景を再現するため造花を持ち込んだ。赤木、笹森らキャスト陣も造花の植え付け作業を手伝ったという。
※ロケ隊は立山ロケの最中は弥陀ヶ原ホテルに、富山市でのロケ前日は圧川峡の三楽園に宿泊した。
※9月23日のロケ最終日は北日本新聞社前、圧川峡、氷見港等市内で撮影後、キャストは同日夜9時22分富山駅発下り急行“ほくりく号”で帰京した。
※嵐の中の乱闘場面は撮影所のセットで撮影。