闇に光る眼
やみにひかるめ

法に挑戦するやくざ社会の醜さと平和を守るため努力を続ける刑事たちの姿、そして刑事の美しい兄弟愛を描く活劇篇。

あとを断たない暴力事件-。非番で新妻の好子と休日を楽しんでいた庄司刑事は、暴力団狩り込みの非常召集を受け署に向かった。署は、暴力団組織絶滅に躍起になっていた。兄が非常召集を受けると、弟の繁夫が義姉と留守番をすることになっていた。この晩も繁夫は、兄には内緒でアルバイトをしている喫茶店ロンバードに休暇願いの電話をかけた。マダムの静江は電話を受けると、二ヤリと微笑を浮かべた。一方、署では庄司が後輩の新米刑事・遠藤に狩り込みの要領を教えていた。遠藤は、中村部長刑事の娘と結婚することになっている有望な青年だ。そのころ喫茶店ロンパードを溜まり場にする暴力団東西組の面々は、狩り込みを察知してよからぬ相談を練っていた。東西組は元々は堅気の人に迷惑をかけぬ一派だったが、政吉がのさばり出してからは暴力事件をよく起こした。狩り込みから引き上げた中村部長刑事は、一番の大物である東西組がまたもぬけの殻だったことを不思議がった。情報洩れの原因がつかめないからだ。そんなとき三光製薬の守衛が殺され、大量の麻薬が奪われる事件が起きた。守衛の証言と犯人が落としたピストル型ライターを手懸かりに捜査が開始された。捜査陣は東西組が臭いと睨んだが証拠が掴めず、署内は殺気だった。疲れきって自宅に帰った庄司は、アルバイトをしたいという繁夫と大喧嘩をしてしまった。幼いころに両親を失い、繁夫だけは不自由させずに大学へ入れてやりたいと今日まで過ごしてきた庄司にしてみれば無理もないことだった。しかし、いつもは素直な繁夫が、今度ばかりは反抗して家を飛び出してしまった。そんな繁夫を愛想良く迎えてくれたのは、ロンバードのマダム静江だった…。

日本
製作:日活 配給:日活
1960
1960/3/26
モノクロ/4巻/1371m/50分/シネマスコープ・サイズ
日活
【東京都】新宿区(歌舞伎町・オデオンゲームセンター前、同・新宿コマ劇場前)/中央区(横山町問屋街)/小田急線引込線