姉妹歌手"ザ・ピーナッツ゛のヒット曲を盛り沢山織り込んで映画化した明朗歌謡篇。
ベルマン化粧品会社の女社長荒谷しずえは一人娘ユミが、テレビ番組のコマーシャル・ソングを唄っているのを見てビックリ仰天、烈火のごとく怒った。しずえはユミが熱烈な流行歌手志望なのに猛烈に反対していたからだ。「すぐユミをひっ捕らえてらっしゃい」というしずえの怒声に、秘書は大慌てでテレビ局へ素っ飛んだが、ユミの姿はなく自宅へ電話したところ「どうしても流行歌手になります」という置手紙を残して家出していることが判った。娘の身の上を心配したしずえは早速私立探偵を雇って行方を探すよう手配するのだった。しずえに雇われたのは、新東京興信所の腕利き調査員岡本ミヤで、すぐさま敏速な調査を始めた。その頃、ミヤの良人でミサイル・レコードのディレクター岡本信一は、銭山社長から散々油をしぼられていた。というのは、現在人気絶頂を誇るアトミック・レコードの看板歌手平田昌彦が、まだ無名の時代に岡本のテストを受けたとき、岡本が平田の歌をろくろく聞きもせず追い返したことがあった。それがもとで発憤した平田は涙ぐましい努力を重ねた末、今日の栄光をかちえたのだ。この事を知った銭山社長は「平田に優る新しいタレントを見つけなければクビだ」と通告した。