朝やけ血戦場
あさやけけっせんじょう
幕末の戦乱の中、死の包囲下に生まれ出た幼き生命の尊さを謳うヒューマニズム時代劇の迫力篇。
慶応四年六月、長岡城は官軍に包囲された。戦火を逃れる避難民にまじり、長岡藩士・魚住孫次郎は身重の女房お次を連れて会津に向って足を早めていた。ふたりはそこで百姓になり、やがて生まれてくる子供との幸福な暮らしを望んでいた。苦しそうなお次を励ましながら、道中で見つけた百姓家に入ったふたりは、不運にも三雲内蔵之介を隊長とする官軍偵察隊に捕えられてしまった。懸命の懇願は聞き入れられず、遂に隊員によって殺されることになった孫次郎だったが、お次が身重であることを知った隊長・三雲の計らいで、子供が生まれてから一ときの約束で助けてもらうことになった。激しい戦禍に巻きこまれた不安と恐怖で産気づき、苦痛に耐えるお次を必死に力づける孫次郎。隊員たちの厚意もあり、お産の準備も次第に整う中、激しい銃撃戦の合間の重苦しい静寂を破って赤ん坊の元気な鳴き声が響いた。うれし涙にむせぶ孫次郎とお次。赤ん坊を囲む隊員達の表情も戦いを忘れたかのように明るく、百姓家の中は和やかな空気に満ちていた。しかし、敵に完全に包囲された彼らは、弾も食料も残り少なく、事態は切迫していた-。
日本 製作:日活
日活
1955
1956/1/15
モノクロ/76分/スタンダード・サイズ/8巻/2086m
日活
【神奈川県】川崎市(稲田登戸駅(現:向ヶ丘遊園駅)