人生とんぼ返り
じんせいとんぼがえり

創生期の新国劇の舞台裏に生きた一代の殺陣師を森繁久彌主演で描く。巨匠・マキノ雅弘監督が『殺陣師段平』をセルフリメイクした名作。

役者達に煽られ、酒に酔ったあげく小橋の欄干の上で傘をさしたままトンボを切り、二度目には勢い余って河に落ちた市川段平は、字は読めないが、男の意気と恋女房・お春の支えで殺陣に生きる男だ。大正末、沢正こと沢田正二郎は、新国劇に画期的な立ち廻りを導入しようと考えていたが、思うようにいかない。同じく新しい殺陣の創造に頭を悩ませていた役者頭取の段平に、沢正は立廻りのリヤリズムと言うが、段平に英語など分かるはずがない。しかし負けん気の段平、ヤケ酒のあげく「リヤリヤなんとかをみせたるわ」と、土地の不良共にからみつくも、血を流して倒れてしまう。そこへ入ってきた沢正が不良共を投げ倒したのを見た段平は「先生!出来ましたぜ。いま不良をやったあれが...」この一瞬、殺陣開眼の曙光が輝いたのだった。

日本
製作:日活 配給:日活
1955
1955/11/1
モノクロ/117分/スタンダード・サイズ/14巻/3196m
日活
【京都府】京都市(四条京阪前)