銀座二十四帖
ぎんざにじゅうよんちょう
時代の尖端を行く銀座風俗の中に生きる人間の善意が、如何に生き難いかを描いた井上友一郎の小説を映画化。ネオンと流行の影にひしめく都会の青春ドラマ。

京極和歌子には夫との間にひとり娘がいたが、夫の仕事内容が気に入らず、いずれは離婚して娘を引き取ろうと考えていた。その資金作りのため亡き父が集めた絵を売ることにしたが、その中には彼女が少女のころ遠く奉天からやってきた学生に描いてもらった「少女像」があった。想い出の絵を売るつもりはなかったが、“五郎”としか記憶のないG・Mというサインの入ったその絵を画廊に陳列しておけば、その人に再会出来るのではないかと夢見ていた。やがて桃山豪という男が名乗り出たが、想い出の人とは思えない。花屋の三室戸完こと通称コニイから、プロ野球のスカウト三ツ星伍郎がG.Mだと聞き会いに行くが、彼は「本物は俺だが、銀座のG.Mを知らないか?」と奇妙なことを言われる。そんな折、姪である雪乃のファッションモデル志望を父親に説得させるべく大阪にやってきた和歌子は、不意に三ツ星伍郎から声をかけられ「本物のG・Mは夫に逢えば判る。その人は銀座にいる」と教えられ、彼が何か秘密を握っているような気がしてならなかった。一方でコニイは、急に姿をみせなくなった子分のジープが再びヒロポン中毒になり、銀座のバー「キャロル」にいると聞く。ジープを連れ戻そうと「キャロル」の連中と大乱斗を演じたコニイは留置場へ放りこまれるが、そこでバーのマスターから「G.Mとは三室戸五郎のことで、大陸からの引揚者で年は四十才前後」と聞き、驚く。それはコニイの実兄だったのだ…。

日本
製作:日活 配給:日活
1955
1955/9/14
モノクロ/116分/スタンダード・サイズ/13巻/3196m
日活
【東京都】中央区(銀座・服部時計店、銀座四丁目、銀座通り、銀座の裏通り、三原橋付近、並木通り、泰西画廊、松坂屋銀座店、京橋警察署、築地警察署、銀座教会、みゆき通り、東京温泉屋上、「銀座の柳」の歌碑、築地・采女橋付近、築地・演舞場前→新橋演舞場?)/港区(新橋駅)/千代田区(有楽町駅、東京駅八重洲口、大丸)/大田区(玉川新田銀座通り(武蔵新田))/世田谷区(玉川・温室村)/渋谷区(道玄坂、渋谷駅付近)/港区(青山付近/芝・生花市場)
【神奈川県】藤沢市(鵠沼海岸)
【大阪府】大阪市(道頓堀、心斎橋、大阪球場、入船橋付近、高島屋難波店、御堂筋、大丸、そごう)
【鹿児島県】桜島町/鹿児島市(鹿児島銀座)