初恋カナリヤ娘
はつこいかなりやむすめ
新星・神楽坂浮子の歌、フランキー堺のジャズと珍演技をもって、喜劇界に新風を吹き込む笑いと甘さの歌謡爆笑篇。
お巡りさんが夜の巡回をするなか、こっそりと物陰から現れた奇怪な黒服の男は片手に大型の黒いカバンを抱え、逃げるように露路の奥にあるアパート「トナリ荘」へと入っていった。このアパートには、毎日麻雀にうつつを抜かす与太者、凄い肉体美人、キャバレーに務めるバンド部員の下っ端・フラ吉と信吉、昨日越して来たキヨと云う中年婦人など変った人種が住んでいる。 アパートの表に面した街角には「まどか小鳥店」があり、一人娘のハル子は歌が大好きで、信吉からバンドマスターに紹介してもらい、歌手になるのだと大張り切り。ところが父親・金八は大反対で、「トナリ荘」に住むヘッポコ楽士・信吉やフラ吉と付き合う事が特に気に入らない。金八にさんざん叱られたハル子は、涙をのんで歌を志すのをとうとう止めてしまう。 一方鼻の下の長いフラ吉は、中年婦人キヨに近づくが反対にコキ使われ、揚句の果てに「バンドマスターに紹介しろ」と頼まれてしまう。 「まどか小鳥店」の金八が、今日も得意先のナイトクラブ「セ・ラビイ」で小鳥の餌の入れ替えをしていると、フラ吉に案内されてキヨがやってきた。ところが下っ端のフラ吉ではどうにもならぬと帰りかけたとき、キヨは金八とぶつかってしまう。ハッと驚き合う二人、実はキヨは金八の妻、ハル子の母親で、ハル子が生まれるとすぐ家をとび出し、歌を唄って渡り歩いていた女だったのだ…。
日本 制作:日活
日活
1954
1955/1/8
モノクロ/57分/スタンダード・サイズ/6巻/1599m
日活
▲【東京都】中央区(銀座)
※ナイト・クラブのシーンはセットで撮影。
※併映作品は『月は上りぬ』。
※水の江滝子の初プロデュース作品。