特別企画

2012年、日活以外にも様々な企業・業界が100周年、50周年などの周年記念を迎えます。
周年記念を迎える様々な業種の企業・業界に、創業当時のお話や、今年行う記念事業などについてお伺いしました。

株式会社ジェイティービー


     
ジェイティービー佐藤様、漆畑様

左:佐藤 年秋様、右:漆畑 修一様


【会社概要】
 創立:1912年3月12日
 本社所在地:東京都品川区

[事業概要]
 交流文化事業

 <事業領域>
  旅行事業(国内・海外)
  ソリューション事業
  出版・広告事業
  商事事業
    ……… など

 http://www.jtbcorp.jp/




-創立の経緯についてお教え下さい。

 当社創立の20年ほど前の1893年に、訪日外国人(外客)を迎える組織として、『喜賓会』が創設されました。しかし、喜賓会は会員の会費と寄付金で運営されたため、日露戦争後の経済界の不況も加わって、次第に財政面から運営が困難となってきました。
 喜賓会が財政難にあえいでいた1905年頃、逓信省鉄道作業局(後の鉄道院)の第一回留学生として米国に滞在していた木下淑夫(きのしたよしお)は、欧米からアジアの弱小国のひとつに過ぎないと見られていた日本の状況に、これではいけないと考えていました。そして、「日本を理解してもらうには、外客を誘致して実際の日本を見てもらうのが早道で、また、買い物などの外客の消費は外貨獲得につながり、国際収支の改善に役立ことから、日本にも外客誘致機関の設立が必要である」と熱心に主張しました。
 やがて、木下の主張は、直属の上司である鉄道院副総裁の平井晴二郎、さらに鉄道院総裁で内務大臣を兼務していた原敬の賛同を得て、資金援助も決まりました。その後、南満州鉄道、日本郵船などの企業の出資や、渋澤栄一、大隈重信など有力者の支援により、1912(明治45)年3月12日、当社の前身であるジャパン・ツーリスト・ビューローが誕生しました。
 これにより、外客誘致を目的に掲げた喜賓会は、その使命を同ビューローに譲りました。
 外客誘致事業は国策の一つでしたので、それぞれの時代の政府の政策に合わせてお手伝いをすることが多くありました。また、第二次世界大戦開戦後の1940年には、リトアニアの日本領事館領事代理で後に「日本のシンドラー」と呼ばれた杉浦千畝氏が、ユダヤ人救出のため多数のビザを発給した際に、戦禍を逃れてヨーロッパからシベリア経由で日本に来たユダヤ人の米国への避難輸送の斡旋を行いました。
 創立以来、ジャパン・ツーリスト・ビューロー、東亜旅行社、東亜交通公社、日本交通公社(ジャパン・トラベル・ビューロー)などと、社名は時代とともに変遷し、2001年にジェイティービーとなりました。





-100周年記念ロゴのコンセプトをお教え下さい。

 当社のシンボルカラーである赤とグレーを用い、「次の100年」に向けての新たなスタートであること、次なる発展のステージに突き進む意志を「New Departure」の言葉と、「コンパス」のモチーフとして表現しました。
 このロゴマークは、JTBとして全方位的に創立100周年を伝える目的として、2012年1月~2013年3月の100周年記念事業期間中に使用するものですが、このほかにも100周年記念事業や商品につけるロゴマークとして、お客様への感謝をイメージしたプレゼントボックス型のものもあります。
 また、お客様とともに歩いてきた100年の感謝を表す100周年イメージデザインとして「次の100年も、いい旅を。」をコンセプトに過去から現在までの「旅」における楽しいシーンをイラストで描きました。イラストはイギリス在住の絵本作家・イラストレーターであるジョン・シェリーさんにお願いしました。

記念イラスト




-100周年記念事業としてこれまで実施したことなどについてお教え下さい。

   既に実施したものとして一番大きなものは、3月12日の創立記念日に、有楽町の東京国際フォーラムで、パートナーの皆様や弊社OB、グループ会社の代表や若手社員など、約1,200名が出席した記念式典を開催しました。式典では、JTBの歴史を振り返る映像上映のほか、「東北観光復興プログラム」として東北観光推進機構会長の高橋宏明様、河北新報社長の一力雅彦様からご講演をいただき、観光を通じた被災地への応援継続を確認しました。
 創立記念日に合わせて観光業界の専門新聞である「観光経済新聞」で特集号を発行していただきました。この紙面では「地域と生きる」をテーマにこれからのツーリズム産業の発展と社会への貢献のためにリーダーシップを発揮することをお約束し、「交流文化事業」のさらなる推進を宣言いたしました。また現在推進している事業(DMC[※]、グローバル、webなど)を紹介、新聞の読み手である宿泊施設・観光業界の皆様に対して、感謝の気持ちと次の100年に向けたJTBの意気込みをお伝えできたと思います。

※DMC:Destination Management Company(デスティネーション・マネージメント・カンパニー) ・・・・・ 地域の観光資源(歴史・文化や自然資源、人財等)を地域の行政や人と一体になって開発し、磨き上げることで、地域の発展に貢献する企業。

 今年の9月に「100年史」(社史)を発刊します。約600ページの予定で、現在はその校正作業を行っているところです。残念ながら、一般への販売は行いませんが、お客様からのお問合せも多くありますので、東京駅八重洲口にある「旅の図書館」にて閲覧いただけるよう準備しております。また、一部の公共図書館には納本予定です。
 100周年記念商品も様々なものをご用意いたしました。一例として、これまでツアーというと「場所」に行って楽しむのものでしたが、伝統文化を受け継いできた職人さんや地域文化を語り継ぐ名物案内人など、「人」に出会い、交流することを目的としたツアー『感動魅力人』を100周年記念として発売しました。
 また、世界農業遺産の輪島千枚田での稲作体験など、旅による体験教育を前面に打ち出した商品『にっぽん実りの旅』 や、通常のツアーでは非公開となっている施設の特別見学などを組み込んだ『琥珀』シリーズ、最高級の旅をご提供する『Platinum Selections』を発売しました。

 イベントに近いものとしては、11月17日(土)の夕方から、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンを貸し切って『サンクス・フェスタ2012 in ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』を開催します。一部のアトラクションをJTBオリジナル演出とするなど、この日だけの特別なイベントとなる予定です。すでに、このイベントの参加を組み込んだツアーの発売を開始しています。

 また、学研グループの『まんがでよくわかるシリーズ』に協力させていただき、『旅行のひみつ』を発行、全国の小学校図書館に寄贈いたしました(非売品)。
 主人公は小学生の女の子。あるきっかけから、隣に住んでいたお兄さんが留学中のフランス・パリへ家族と旅行することになり、その旅行の計画を考えながら、旅の歴史や旅行会社の仕事などを学んでいく内容です。



-CSRとしての活動はほかにもありますか?

 1985年から観光地清掃活動「観光地クリーンアップキャンペーン」を実施しています。現在では清掃活動だけでなく、植樹や稚魚放流など様々な環境保護活動に広がってきました。100周年を期して「JTB地球いきいきプロジェクト」に名称を変え、JTBグループの社員参加も拡大して取り組んでいきます。
 また、様々な地域の伝統芸能を一堂に集め、お客様にお楽しみいただくイベント「杜の賑い」を年1~2回開催しています。




-一般の方にあまり知られていない御社の事業トピックスはございますか?

 100年前の創立時の使命が、外国人旅行客の誘致と斡旋であったことから、訪日外国人のお手伝いは今日までずっと続いています。
 最近は、海外のお客様を日本にご案内するだけでなく、日本以外の目的地への旅行のお手伝いも拡大しています。
 特に経済成長の著しい中国においては、日本で培った旅行業のノウハウを活かし、中国国民のみなさまに安全で優良な旅をご提供するため、努力しております。

 また、交流人口の拡大は地域や国に大きな経済効果をもたらします。
 地域の良さを発掘し、情報発信することにより、交流を創造し拡大することが、DMC(デスティネーション・マネージメント・カンパニー)の役割です。
 地域に根ざした活動を今後も強力に展開してまいります。




-最後に、同じ100周年を迎える弊社へメッセージをお願いいたします。

 創立100周年、おめでとうございます。「映画」も「旅」も、たくさんの人々を元気にすることができるものだと思います。元気な日本、元気な地域のために、ともにがんばりましょう。



-ありがとうございました。



JTB100周年記念サイト:http://www.jtbcorp.jp/jp/100th/history/


[取材ご協力]
 100周年事業推進委員会 事務局 調査役 佐藤 年秋 様
 ブランド戦略推進部 マネージャー 漆畑 修一 様


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(2012年8月27日掲載)

100周年シンボルマーク


100周年事業ロゴマーク



(天王洲本社ロビーに展示の年表)


(非常に判りやすい年表でした)



(100周年記念式典)



(クリックで、『感動魅力人』特設サイトへ)


(クリックで、『琥珀』特設サイトへ)







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